心不全

心不全とは、病名ではありません。
心臓の機能が低下することで、全身の諸臓器への酸素や栄養の供給が不足したり、血液循環が停滞したことが二次的に臓器の機能障害をおこし、その結果として様々な身体症状を呈する状態を心不全と呼びます。

代表的な心不全症状としては以下のような症状があります。

胸水貯留や呼吸苦・呼吸困難
心臓に隣接して、血液循環の上でも心臓と密接に関連している肺の血管系に血液停滞(肺うっ血)が起こることで出現する症状です。
下腿浮腫や顔面浮腫
皮膚の中に水分貯留が起こった状態です。皮膚の毛細血管に血液停滞(うっ血)が生じて出現します。指や靴下で押さえるとへこみ(圧痕)を生じます。皮膚に水分が貯留した結果は、水分の重量分の体重増加という形でも確認できます。
だるさ、食欲低下
全身の諸臓器への酸素や栄養の供給が不足や、呼吸苦の結果、体調全般の悪化の結果として生じます。

心不全の治療は、
心不全状態を引き起こした心臓疾患や全身性疾患などの基礎疾患に対する治療と、
必要によっては入院して、飲み薬や注射薬や、必要に応じて心臓補助機械を用いて、機能低下を起こしている心臓にかかっている負担を軽減して、血液循環の破綻を修正する治療、
主に長期的に飲み薬を服用することによって、過剰な負担がもたらす心臓の変性を防止する治療、
が行われます。