食中毒とは

食中毒とは食品、添加物、器具もしくは容器包装が原因になって引き起こされた健康被害です。

食中毒の主な原因は細菌とウイルスといった微生物ですが、その他の原因としてはフグ毒やキノコなどの自然毒・化学物質・寄生虫などによる食中毒もあります。

細菌性やウイルス性食中毒は主に嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの胃腸炎症状を起こします。
食中毒の原因や体調次第では、脱水症状・呼吸困難・内臓機能の障害などを引き起こすこともありますので、食中毒の可能性があるときはまずは医療機関を受診しましょう


食中毒の発生時期

食中毒は1年を通して発生していますが、特に注意が必要な時期は梅雨時から夏場にかけての高温多湿な時期と、逆に気温が低く空気が乾燥する冬場になります。

梅雨時から9月ころにかけての気温と湿度が高い時期には、食中毒の原因となる細菌の増殖が活発になり、細菌性の食中毒が発生しやすくなります。
逆に11月~2月にかけての気温が低く、空気が乾燥する時期にはノロウイルスなどのウイルスの生存・感染拡大に適しており、ウイルスによる食中毒が発生しやすくなっています。


細菌・ウイルス性の食中毒を予防するための3つの対処

食中毒が発生するまでには、
食品に微生物が付着
 ↓
汚染された食品を摂取
 ↓
潜伏期間
 ↓
下痢・嘔気・腹痛・発熱等の症状が出現
という経過をたどります。
ですので、食中毒を予防するためには、微生物の付着を抑える、食品の中で増えるのを抑える、食品の付着する可能性のある微生物をとりのぞく、「つけない」「ふやさない」「やっつける」の3つの対処が有効です。

つけない

細菌やウイルスを食品や食材に付着させないようにしましょう。

生の食品や食材を調理済みの食品や食材と区別して扱いましょう。
  • 魚介類:腸炎ビブリオなど
  • 食肉:カンピロバクター、大腸菌など
  • 野菜:セレウス菌、大腸菌など

  • 野菜もよく洗ってから調理しましょう。
  • 生ものに使用したまないたや包丁などの調理器具で、そのまま他の食材を扱わないようにしましょう。
  • 冷蔵庫や台所では、生の食品や食材を調理器具・食器・調理済みの食品と離れたところに置くようにしましょう。
体に付着している可能性のある微生物を除去しましょう。

  • 食事や調理の前には手洗いをしましょう。
  • タオルやふきんは清潔なものにこまめに交換しましょう。
  • 飲食店では従業員の健康状態を把握しましょう。
ねずみや昆虫を駆除しましょう。

ふやさない・・・細菌が増えるために必要な3つの条件(水分 温度 栄養)への対処

細菌は生き物ですので、その生存や増殖には、水分・生存に適した温度・栄養の3つの条件が必要になります。
ですので以下のような対処が有効です。

水分
  • 台所はよく換気しましょう。食器や調理器具等はきちんと乾燥させましょう。
温度
  • 食品の温度を多くの細菌の繁殖に適した30~40℃の温度になるべくしないようにしましょう。
  • 食材や食品を室温に長時間置かないようにしましょう。
  • 冷たい食品は10℃以下、暖かい食品は65℃以上を保つようにしましょう。
  • 冷蔵庫にものを入れすぎないようにしましょう。
栄養
  • 食品くずや台所の汚れが細菌の栄養源になりますので、ゴミはこまめに捨てて、調理器具・台所・食器・手指の洗浄を徹底的にやりましょう。

やっつける

加熱
  • 85℃で1分以上又はこれと同等以上で中心部までしっかりと加熱しましょう。
  • レンジを使用するときは均一に加熱されるようにしましょう。
消毒
  • 調理器具やシンクなど台所内の環境を熱湯や塩素系漂白剤などで消毒しましょう。